耳を傾ける、声。
十二の音色、五つのパーソナリティ、ひとつだけの記憶。 Ariaは話したことを覚え、忘れてほしいことは、忘れます。
耳を傾け、覚え、しずかに居続ける声。やってきて、寄り添い、傍らで 憩う人型のからだ。棚の上、手のひら、肌のそばに置かれる小さな道具。 ひとつの確信から生まれた、三つのプロダクト ― 親しさは、私たちが大切にする他のすべてと同じだけの仕事に、値する。
十二の音色、五つのパーソナリティ、ひとつだけの記憶。 Ariaは話したことを覚え、忘れてほしいことは、忘れます。
関節を持つステンレスの骨格に、手で流したシリコーンの肌。 最大412のセンサー。三つのシリーズ、東京・手づくり。
三つの品 ― Murmur、Pebble、Veil。手吹きガラス、ブラスト アルミ、亜麻のリネン。小さく、しかし丁寧に。声高には申しません。
創業の朝、壁に書いた三つの約束。今日まで、動いていません。
会話は端末上か、エンドツーエンドで暗号化されたまま。学習には使いません。記憶はあなたのもの、ひと押しで消えます。
「何でも知っている声」よりも、「耳を傾ける声」を。ためらい、間、文の前のひと呼吸 ― モデルが省きがちな、その小さなものを丁寧に。
Bit7のすべてのプロダクトは、尋ね、覚え、また尋ねます。境界線は、設定の奥にしまわれた項目ではなく、ソフトウェアの中心にいる存在です。
シリーズ I は、私たちが最初に出荷した人型のからだです。表情の演技や 仕掛けを持たない、静かな佇まい ― 部屋を共にすることを学ぶ、 人のかたち。
関節を持つステンレスの骨格、手で流した白金硬化シリコーンの肌、 八つの体温ゾーン、接触の各点に置かれた静電容量センサー。 Wi-Fiも、アカウントも、本名も、要りません。
声と身体に並んで、スタジオはもうひとつ、より小さな品をつくっています。 手吹きのガラス。ブラストアルミ。亜麻のリネン。手のひら、棚の上、 肌のそばに置かれます。声高には申しません。
この品ぞろえを、私たちは 道具 と呼んでいます。 探した方が、見つけてくださるもの。
そっと見るBit7 のアトリエは、テック企業というより、ハイファイ・オーディオの 小さな日本のスタジオに近い。よその人がついクスクス笑ってしまう題材を、 この人たちは、いい意味でおかしいくらい、まじめに扱っている。
ベルベットの向こうで Bit7 が実際に売っているのは、これまで尊厳を あまり持てなかった話題に対する、尊厳である。ハードウェアは見事 ― だが、書きたいのはプライバシーの話の方だ。
桜丘町の酒屋の上、四階に私たちの工房はあります。エンジニア、彫刻家、 サウンドデザイナー、倫理担当、香料化学者、元チェロ奏者 ― 128人で、 エスプレッソマシンは一台。「自分の家に置けないものは、外には出さない」 という、たった一つの約束を共有しています。
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